2019年2月9日に神戸大学医学部保健学科にて第1回日本理学療法哲学・倫理学研究会を開催いたしました
テーマ:なぜ、理学療法と哲学・倫理学なのか
本フォーラムはフォーラム長 奈良の尽力により、著名な講師陣を揃え、序盤・中盤・終盤に隙きのない内容構成で固めました。しかし、理学療法哲学・倫理学という聞き慣れない分野のフォーラムを開催するにあたって、どれくらいの方に興味をいただけるか開催前は大変不安がありました。新しい活動はどうしてもはじめの一歩がどうであったかが問われ、参加者のみならず運営側の印象も左右されます。私達の志を多くの人にどれだけ伝えられるか、不安と楽しみな気持ちが入り混じっていました。
当日は50人ほどの参加者に来ていただけました。目標数には少し足りなかったのですが、熱のこもった参加者が多く、量より質の高いフォーラムになった印象があります。多くの方が興味を持っているだけではなく、意見を持って参加されていました。5時間のフォーラムの間、参加者全員(大げさではなく)が前のめりで話を聞いていただき、議論していただきました。その姿に甚く感動させられました。そのようなフォーラムにしていただき本当にありがたく思います。この場を借りて御礼申し上げます。
大会長の基調講演として奈良から理学療法哲学・倫理学についての概要とその必要性の話がありました。
・人は嘘をつくが、善なる行動を行う二律背反な存在であり、そのような人としての本質を問うことが最大の命題である
・自身の苦しみと人の苦しみを知ることで大きな人間理学療法士になれる
特別講演は(公社)日本理学療法士協会半田会長からセラピストのこころのあり方について話がありました。
・幸せと生きがいと価値観をキーワードに人として、また理学療法士のあり方について幅広く捉える
・生命に対する責任について考える必要がある
・生きがいに触れられることが理学療法士の生きがいである
シンポジウムは1.臨床の立場から: 岩田健太郎(神戸市民医療センター) 2. 教育の立場から: 内山 靖(名古屋大学医学部保健学科)3. 研究の立場から:浅井 仁(金沢大学)に様々な示唆を提示していただきました。
・理学療法士の対象職域は急激に広がっている、確実に社会のニーズがあり、それに対応し無くてはならない
・理学療法士の知識のみならず、周辺学問の知識を持つことが幅を広げ、シンギュラリティ(技術的特異点)を踏まえた理学療法の哲学を示すことが求められている
・理学療法をより本質的に構築・理解するための学問であり、それを実践する対象者との関係において不可欠な実践過程の基盤である
・部分的真理だけではなく、全体的真理としての視点をもつことがもとめられる
一般演題は1、理学療法士にとっての自立と自律 ~キャリアラダーの先にあるもの~ 宝塚リハビリテーション病院 中谷
知生
2、「役に立つ理学療法」とは、なにか 大阪府済生会茨木病院 藏本
大貴から大変有意義な内容の発表がありました。質疑応答も大変な盛り上がりでした。
日本理学療法哲学・倫理学研究会
〒658-0001 兵庫県神戸市東灘区森北町6丁目2-23甲南女子大学看護リハビリテーション学部 理学療法学科 堀寛史研究室内
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